こんにちは。
本日は、歯医者さんに行くとこめかみがピクピクしてしまうほど苦手な私が、親知らず(完全水平埋伏智歯)の抜歯手術(下2本同時)を受けた体験を詳細にリポートしてみようと思います。
あなたは、親知らずのことで悩んだり、痛みや腫れ、術後に開いた穴に食事が詰まる問題など、心配になってここへたどり着いたと思います。
あなたの心配が少しでも減ったり、ほんの少し背中を押すことが出来れば幸いです♪
この記事では、実際に手術前から手術後までの流れを疑似体験(予習)できるように時系列で記述してあります。
(実際の治療日数や手術の時間などは、患者さんの状態にもよるので、あくまでも参考という形で読んでみてくださいね)
それでは、いきなりですが、最初に結論めいたことを書いておきます。
抜こうかどうか迷う時間はもったいない。
親知らずは、さっさと抜いておこう!です(笑)
早く抜いておいた方がいいと思う理由は、文章を読み進めていけば分かると思います。
ここで先にお断りしておきますが、あなたの想像力が素晴らしく、どんなことでもリアルにイメージできて、「痛い」のが大の苦手という方はここから先は読み進めないようにしてください。
「抜く!」という意思決定が出来たなら、そっと閉じていただいて結構ですよ(笑)
閉じましたか?大丈夫かな?
それでは、少々長くなりますが、少しでも参考になればという思いで書き込んでいきます。
親知らずとは
そもそも親知らずとは、医学的に言うと第三大臼歯または智歯と呼ばれる20歳前後から上下の奥に生えてくる歯のことです。
人間本来の大人の永久歯は上下で32本ですが、歯医者さん曰く、柔らかい食事が多くなった現代人(ニュータイプ)の中には、顎も小さくなり、親知らずそのものが4本そろって生えてこない人も約3割程いるらしいです。
親知らずが3本とか2本しかないという人も現実の世界にいるということですね。
したがって、最近は大人の永久歯は28本とするそうです。
つまり、親知らずが4本あった筆者は進化以前(旧タイプ)だったということです(悲)
上顎の親知らず抜歯(遠い記憶)
今回のリポートは、下あごの第三大臼歯なのですが、せっかくなのですでに処置が終わっている上顎の親知らず抜歯についても思い出しながら書いておきます。
かなり昔の話になりますが、上顎の親知らずは成長とともに、どちらも歯茎から正常な位置に生えてきて「こんにちは」をしていました。
もちろん、通常の永久歯よりは遅く歯茎を押しのけて生えてきたのですが、その間は特に痛みもなく、口の中で舌を動かして確認しながら、あー出てきたなーと気づく程度でした。
まぁ、歯磨きしていれば大丈夫でしょと自己判断をして、歯医者にも行かず…。
時は流れ、歯磨きは普通にしていたつもりだったのだが、別の歯の治療に歯科医に行ったところ、親知らずも虫歯になっていることが判明。
上顎の奥って、やはりかなり意識して歯磨きしないと歯ブラシが届きにくいんですね。
自業自得というわけですが、通常の歯の治療後に、「親知らずは抜きましょう」と提案されたので、『分かりました』と二つ返事をしてしまいました。
どうせ抜くなら、虫歯治療もしなくて済むし、一石二鳥くらいのノリで返事をしました。
この時は、当時住んでいた街にある普通の歯医者さんです。
さすがに2本同時に抜歯ということはなく、1本抜いた後、症状が落ち着いたら残りの1本という手順で数週間をかけて2本を抜歯しました。
親知らずは2本とも普通に生えた状態だったので、麻酔をかけた後、抜歯用のペンチ(正確には、抜歯鉗子)のような器具でゴリゴリと引き抜きます。
上顎の親知らずは、耳に近いせいか、ミシミシとかメリメリといった感じの音が反響するので、「神様早く終わって!」と願ってしまいました。
麻酔が効いているので痛くはなかったのですが、なんせ歯医者が苦手。
終始目をつぶって抜けるのを待ちました。何回か掴み直したりしていたので、すんなり抜けたという記憶はありません。
いま思えば、ここで【恐怖心】が植え付けられたのかも。
二つ返事をした手前、2本目を断る勇気がなかった私(子供かっ!)
泣く泣く反対側もその歯医者さんで抜いたのを思い出しました。
上顎の親知らず抜歯は、下顎の今回と比較すれば、あまり腫れるようなこともなく、ほどなく通常の生活に戻ったと記憶しています。
いや、少しは痛みが続いたと思うけれど、怖い記憶は忘却の彼方へ追いやったみたい。
レントゲンは、上下とも撮影していたので、下顎にも親知らずがあることはこの時に分かっていました。
そして、当然のごとく下顎の親知らずについても歯医者さんは「抜いた方が…」と言ってきました。
私の「下顎右」の1本は、完全水平埋伏智歯といって、誠に残念ながら通常の奥歯に向かって「横向き」に顎の骨に埋もれた形で成長していたのです。
大人になってからは、数年に一度くらいの感じで奥歯を押されるような感覚が時々起きました。横向きに成長するので、奥歯に当たって押していたんでしょう。
ですので、歯並びも右下だけ智歯に押されて少々ずれてしまっています。
抜くっていったって、歯茎に埋もれている親知らずをどうやって抜くんだ?
例の抜歯鉗子で掴むことできないよな?
え?どうやるの?
おそるおそる質問しました。
歯医者さん『メスで歯茎を切り開いてから、骨を削って抜く形になりますね』
奥歯のさらに奥の歯茎に銀色に光るメスがシュッと入り、血がドバッ!
歯茎を器具で開いて、骨をノミでガシガシ削ってから親知らずを取り出すっ!
中世の拷問かよっ!っていう稚拙な想像が脳内を駆け巡りました(笑)
もうその時点で、「ムリムリムリ!」って考えてましたが、続きがあります。
その歯医者さんはレントゲンを見て、横向きになっているのは「左側」と言いました。
念のために、「右側ですよね?」と聞き返したのですが、左側と言って譲りません。
左側の智歯は、すでに歯の頭が少し見えていたので、横ではなく通常の向きで生えてきているのは明らか。
ですが、あまりにも初歩的な違いを口の中とレントゲン比較をして確認することすらしない。そのため、その歯科医に任せるのが一気に不安になり、その時は「抜かない」という判断をしました。
で、結局ほかの歯医者に行くこともなく年月が流れてしまったというのが今回の抜歯まで放置されていた真相。
左右を間違えるというのは、冷静になって振り返るとちょっと怖い話ですよね。
下顎の親知らず抜歯
前置きが長くなりました。
それでは、全身麻酔で親知らずの抜歯手術となった経緯などを含めて時系列で書きだします。
時は流れ、親知らず付近の痛み発生 12/某日(金)
年末の仕事がピークを迎え、残業に次ぐ残業でかなり疲れがたまった状態でした。
そんな自覚はありましたが、まさか親知らずが痛み出すとは思いもしなかった。
ちょこっとだけ歯の表面が顔を出していた左側の智歯付近が「ズキーン、ズキーン」とうずき出します。
虫歯の痛みって訳ではなく、おもがゆいというか、いやな感じの初めての痛み方でした。
できれば行きたくなかったので、まぁ、週末だしそのうち治るでしょと高をくくった私。
歯医者嫌いの気持ちがそうさせたのですが…。
されど痛みは引かず 12/翌(土)・翌(日)
土曜日であれば、開いている歯医者があったのに無駄に我慢。
常備薬の痛み止めを飲んで、まだ我慢します。
しかし、日曜日になっても痛みが引かず、腫れも少しあるため、さすがに歯科医へ行く覚悟を決めました。
※普通の人は、「覚悟」って表現はしない?
常備薬のバファリンとロキソニンという鎮痛剤があったので、週末はその薬でごまかし続けました。
痛みとしては、腎臓から結石が尿管を通過するときの痛みと比べれば可愛いもんです。
あれは、やばかったなぁ(遠い目)
地元の歯科医へ通院 12/翌(月)
現在住む街の歯医者さんを検索して、仕事終わりでも診察してくれそうな歯科医に電話で症状を伝えて相談。幸い痛みがあるとのことでその日に見てもらえることとなりました。
予約をしておいたので、仕事終わりに急いで通院し、診察をしてもらいました。
幸か不幸か、その歯科医に定期的にやってくる某大学病院の口腔外科の先生に診てもらうもらうことができました。
そこで初めて、親知らずというのは虫歯になっていなくても、今回のように疲労がたまったときや体調を崩したときなどに痛みを発症することがあるということを教えてもらいました。
いま現在、過去の私と同じように、親知らずが残っていても歯を磨いていれば大丈夫でしょ、と同じ考え方をしているあなた!
歯磨きだけじゃダメなんですよ!と声を大にして言いたい!
(オマエガイウナ!)
優しく丁寧に説明をしてくれた口腔外科の先生が一言。
『痛み止めで一時的に抑えても、また再発するから抜いた方がいいですね』
こめかみのピクピクセンサーが反応します。
なんなら脳内ミュージックは、オーケストラ&合唱団の大音量状態♪
そうです、例の『メスで歯茎を切り開いてから…(以下略)』の説明と稚拙な想像力がフラッシュバックしました。
しかし、時は流れ当時の歯医者さんではなく、口腔外科の専門の先生。
きっと技術も進歩しているに違いない、と気持ちが少しでも落ち着くように考えを巡らせました。
『ここ(街の歯医者さん)では出来ないから、口腔外科のある病院の紹介状をどこでも書きますよ』
そう言われたのですが、でも、やはり怖いんですよね~(汗)
「わ、わかりました~」といいつつ「今日のところは予定も立たないので…」と逃げる私。
その日は、サワシリン(化膿止め)とロキソニンを処方されることに。
診察の最後に『紹介状はいつでも書けますから』と贈る言葉をいただきました。
会計を終えて歯医者さんの建物を出たとたん、どっと疲労感が襲います。
「うわー、どーしよー」
「抜くってことは、例の…(以下略)」
しかも、もう年末ではないか。
年末年始の美味しい食べ物を食べられないってこと?
それはいやだなーなどと訳の分からん想像をしてしまいます。
※後になって分かるのですが、そもそも、手術の予約はそんな簡単にとれないのだよ(自戒)
その日は、悲しい気持ちで帰宅したのを思い出します。
偶然にも情報収集 12/翌(火)
我が家の中でも、どうするかな~などと踏ん切りが付かないでいたのですが、身近な職場の中に親知らず抜歯の経験者が複数いました。生の経験談を聞くことが出来たのです。
経験者かく語りき
1.抜いた方がいい
2.早くやった方がいい
3.全身麻酔なら目覚めたときには終わってる
4.腫れるけれど治るよ
5.今後一切心配しなくて済むよ
複数の人から情報収集をしたことで、「及び腰モード」だった私にも気持ちの変化が起きました。
特に5の「今後一切心配しなくて済むよ」というのが最重要ポイント(テストに出るよ(嘘))
さらに年をとってから痛みが起きたり、後になって手術すると考えたら、怖いけれど、一気に憂いをなくしてしまった方がいいじゃないかと気持ちを転換させることが出来ました。
紹介状をゲット 12/翌(水)
善は急げで、街の歯医者さんに電話をしました。
北海道大学病院へ、下顎2本の親知らず(智歯)を同時に抜歯する希望をしている旨の紹介状を書いてもらうことにしました。
歯医者さんで紹介状を受け取り、すかさず北海道大学病院へ診察の予約電話を入れます。
(この辺の展開は非常にスピーディーに行いましたが、あとでビビります(笑))
電話の前に、大学病院のHPをチェックしていたら、「予約確認票」というモノがあることに気づきましたので、電話をかける前に印刷して手元に用意しておきます。
予約受付の電話口にでた係の方が、「口腔外科の外来診察は奇数日」だということを教えてくれました。
よって、口腔外科の先生の勤務等を確認の上、直近で次の12/翌々日(金)に予約を入れました。
朝一である、9:00診察の予約となり、以下の注意点を確認されました。
・予約確認票を持参(予約日時:仮患者番号(電話で発行)の記入済み)
・当日の朝、8:30までに到着していること
・保険証の持参
・お薬手帳の持参
内容に不備がないかしっかり確認して電話を終えました。
ここまでくれば、もう後戻りはできません。
幸い、最初に痛み出した場所も、薬が効いたのかほとんど痛みがなくなってきていました。
診察&検査、検査、検査! 12/翌々日(金)
8:30までに病院へ来るように言われたので、それよりもさらに早めに着くが、受付自体がまだ始まっていなかったので待つことになりました。
結果として分かったのは、要するに受付開始時刻は8:30から。
※何時までにというのも大事かもしれないが、結局のところ、受付開始時間を聞いておくのがベストだということが、この体験から分かりました。
受付開始時間になり、さっそく紹介状や持参したものなどを受付の方に手渡すと、新患受付時に必要ですと言われて渡された書類3枚を記入することになりました。
(この時は、気持ちに余裕がなかったので書類の名称を控えるのを忘れました)
書類を提出して、しばらくすると看護師が待合の席にやってきて、事前のヒアリング(問診のようなもの)を行いました。まぁ、定番ですね。
診察に先立ち、【レントゲン&CT】を撮影。
歯科専用の場所があるので、移動は最小限で済みます。
その後診察となりました。
担当の医師は、丁寧にわかりやすく説明をしてくれました…。
丁寧にわかりやすくの中には、例の「…(以下略)」を図に描いて説明してくれて、さらに詳しく手術内容を知ることとなり、脳内オーケストラ&合唱団はボルテージをアップさせました(滝汗)
そして、例のごとく一度言い出したことを引っ込められない私は、心の中で「ヤバいな」と思いつつ、説明を聞くたびに「はい」と返事をするのでした。(ダメダメですねぇ)
診察の結果、【2本同時抜歯・全身麻酔手術・二泊三日コース】ということが決まりました。
全身麻酔手術で二泊三日になったのは、片方の親知らずが歯茎から顔も出しておらず、「完全水平埋伏智歯」であったこと。
さらに、顎の中にある下歯槽神経と歯の根がかなり近いということが要因です。
CT画像
したがって、顎のしびれや舌の麻痺や味覚障害などの症状が残る可能性もあるという、こわーいお話しも聞くことになりました(ここでビビりはじめる)
実際に、「骨を削って…」などという手術を実際に意識がある状態のまま部分麻酔でされたら、たぶん私は途中で気を失ってますね(笑)
なんせ私、採血で気を失ったことが2回もある人間ですから(汗)
ただし、人によっては簡単に抜ける人もいる模様。
いろんな情報を見てみると、私と違うのは、「若者」だということですね。
診察での方針が出たところで、実際に手術室と入院病棟の確保が出来る日程を探してくれました。
もちろん、こちらの都合も聞いてもらえるわけですが、年度末の仕事が始まると身動きがとれなくなるので、「出来るだけ早くお願いします」と伝えたので、最短での実施可能日を出してもらいました。
私は、早く終わらせてしまいたいという気持ちが一番に入っていたので最短の日程を探してもらいましたが、結果的に仕事に影響が出てしまいました(後述)。
学生さんなら、夏休みや冬休みの前半、仕事をしている人なら、長期休業や連休の前を選ぶことをおすすめします!!
話はどんどん進んでいって…。
私が住んでいる街と大学病院が少し離れていることや病院側も年末年始を迎えるので、手術前に行う検査を本日やれるだけやってしまいましょうということになりました。
検査の内容は【 採血・採尿・心電図・呼吸機能検査・胸部レントゲン 】
呼吸機能検査は、息を大きく吸って吐ききるという簡単な検査ですが、頑張りすぎて苦しくなりました。
真剣に検査を行うのは大事なので、疲れますが頑張りましょう。
この日のうちに指定の検査はほぼ終わったのですが、麻酔科の先生との診察だけが出来なかったので、年が明けてから再度診察することとなりました。
長い診察等が終了しました。
書類としては、「歯科疾患管理料に係る管理計画書(初回用)」の患者控えをもらい、手術をおこなう医師の確認、「感染症検査承諾書」に署名をしました。
麻酔科の先生による診察 1/某日(水)
この日も9:00からの診察でしたが、前回学習したので、ほどよい時間に病院に着くように調整できました。
予定通り、麻酔科の先生との診察を行い
「麻酔とそれに伴う薬物投与や処置に関する説明書」で詳細を確認
「麻酔とそれに伴う薬物投与や処置に関する承諾書」にサイン
「抜歯術に関する説明書」で詳細を確認
「抜歯術に関する承諾書」にサイン
といった形で、スムーズに診察を終えました。
その後、1階にある入退院センターに行き、今回の入院に関わる説明を受けました。
整理番号を機械でもらって待っていると呼ばれるので、それまでは落ち着いて待ちます。
担当の方が最初に、「簡単に説明を聞く」か「詳しく説明を聞く」か質問してくれました。
私は、こちらの病院も初めてだったし、全身麻酔の手術も初めてでであったので、「詳しく説明を聞く」を選んでいろいろと話を伺いました。
かなり丁寧に教えてもらえたし、質問も出来たので、初めての方は「詳しく説明を聞く」ことをお勧めします。
入院へ備えて、持ち物などは余裕を持って準備しておきましょう。
受け取った入院案内の冊子に、一般的な持ち物の記載がありますが、同じ冊子をすべての入院患者で使用しています。歯科専用ではありませんので、少し術後を想像して準備しておくことをお勧めします。
とりあえず、一番困ることは、まともに口を開いて食事をとることが出来ないということです。
1本だけの抜歯であれば、反対側で食べ物を咀嚼できるかもしれませんが、左右同時の場合は、ほぼ固形物は食べられないと考えておく必要があります。
現に手術後は、歯茎を縫っているのでまともに食べ物を噛んだり出来なくなります。
私の場合は、昼頃にかけて手術を行ったので朝昼抜き。
お腹は減っているのですが、夕食はほぼ何も食べられませんでした。
持ち物の中に、長いストロー(病院内のコンビニで販売していました)があると便利です。
スプーンも不可欠ですね!
また、プリンやヨーグルト、ゼリー状の飲み物(ウィダーinゼリー等)を手術前に購入して冷蔵庫に準備しておくことをお勧めします。
麻酔が切れた後は、痛み止めの薬を飲む必要が出てきます。
痛み止めの薬も空腹で飲むのは避けたいので、何かしら胃の中に流し込める食べ物があると安心です。
ペットボトルの「水」を数本用意しておくこともお忘れなく。
(その都度、自動販売機まで歩いて行くのはしんどいですよ)
いざ、入院(親知らず抜歯手術) 1/翌々週(日)
私の入院は、日曜日(病院は休診)でした。
やはり、午前9:00までにと言われていたので間に合うように行きましたが、通常の出入り口が閉まっているため、24時間外来入口から建物に入ります。
北海道大学病院の場合、最初の自動ドアを入って右側に窓口があるので、そこで受付が出来ます。
事前に手渡され、入院当日までに記載が必要であった保証人等を記載する「入院証明」の用紙、診察券、保険証をここで提出します。
本人確認が済むと、診察券と保険証を返却され、指定の階のナースステーションまで行くように促されます。
こちらからの行き方は、左側の通路を直進するとエレベーターホールがありますので、指定の階まで上がり、エレベーターを出たら左側に折れて通路の先を見ると、ナースステーションが正面に見えます。
一緒に着いてきてくれるわけではないので、行き方が分からなかったら受付でしっかり聞いて確認しておきましょう。
ナースステーションに声をかけて挨拶をし、病室へ案内してもらいます。
その時に、寝間着(上下)のサイズを聞かれますので答えると体型に合った寝間着を出してきてくれます。
私は、相部屋が気にならなかったし、二泊三日と短いので、大部屋(といっても、2人か4人)でいいですよと1/某日(水)の入院説明時、事前に伝えておいたところ、2人部屋に案内されました。
ここから先の私の記録は、当日のナースステーションや医師の状況で前後することがあると思いますので参考程度に見ておいてください。
着替えを済ませたら、身長と体重を計測です。
その後、簡単な問診を看護師から受け(体温計測あり)、病棟を簡単に案内されました。
他には、「入院診療計画書」の確認とサイン
「成人用転倒・転落アセスメントシート(成人用)」など項目を確認しながら書き込んでからサインをしました。
下半身がしっかりしていれば問題のない項目ですが、いろいろと事前に確認することが大事なんですね。
ちなみに、この病院では「スリッパ」は認められていません。
運動靴でも何でもいいのですが、履いたり脱いだりという行為が楽な靴を用意する必要がありますのでご注意ください。
ベッドに付属のテーブルには、「飲水・食事量、排尿・排便数の記載表」があり、看護師が書き方の説明をしてくれました。
実は、入院当日になって聞いたのですが、執刀医(主治医)が変更になったとのことで、入院診療計画書へのサインを再度行いました。
どうしたのだろうと思いましたが、病院の都合ですからおまかせするしかありません。
そうこうしているうちに、変更した主治医の先生が挨拶に来て、そのまま同じ階にある病棟の診察室に移動して問診などが行われました。
内容は、歯の状態を確認すること。
下顎の開き具合を確認すること(口の中の手術のため、呼吸補助の管を鼻から肺に入れることになるのですが、顎を前に突き出せると気管が見えやすくなるそうです)
その後、麻酔科の先生もやってきて、同様に手術での麻酔のかけ方や処置内容の説明を受けたりしました。
一通りの問診等が終わった後で、「手術を受けられる ○○さんへ」という書類内容の説明を受け、サインを行いました。
そして、翌日のタイムスケジュール(手術室への移動、開始、終了予定時刻)を確認しました。
この日は、以上のことが行われたら残り時間はフリーです。
あらかじめ予測して、パソコン持ち込みで仕事をしたり、スマホからテザリングでネットにつないで情報検索などをして時間を過ごしました。
読書好きの方なら、思う存分読書の時間に充てられます。
この日の昼食・夕食は「成人A」という普通の食事。
明日からしばらくは、普通の食事はとれないんだろうなと考えると、思わずしっかりかみしめて食べてしまいました。
あとは、手術前なので、シャワーを浴びておくように指示があったくらいです。
シャワー室の利用は、扉に張ってある利用時間の希望表の空いている時間帯に自分の名前を書き込んでおくスタイルでした。
シャンプーやボディーソープなどは持ち込みになるので、忘れずに持っていきましょう。
男性の場合、ひげそりなどは翌朝にする時間がとれるので、その時で構わないと思います。
翌日の手術に備え、体調を整えておくためにも早めの就寝をしておきましょう。
手術を受けました 1/翌(月)
この日は、手術になので朝食は抜き。
水分(透明な水)だけは、○時までOKですが、その時間を過ぎると水分補給すら出来ません。
少し落ち着かないけれど、ここまで来たらなるようになれってなもんです。
ただし、口を湿らせたり(うがい)するのはOKです。
トイレを済ませたりパソコンいじったりしながら運命の時を待ちます。
そうこうしているうちに看護師がやってきて、水分の補助と麻酔薬投入のために、点滴を導入することになりました。
管には、分岐する部分が複数付いていますから、必要に応じて使い分けるんだろうなーと思いながら眺めました。
またしばらくすると、今度は頭に手術用の帽子を取り付けに看護師さんがやってきました。キャップをかぶせた後、簡単に外れないようにテープで固定をします。
だんだん手術の時が近づいてくるのを感じてドキドキ。
今度は薬剤師の先生がやってきて、現在の投薬の確認を行い、持ってきた常用薬を持っていきました。(後に摂取回数に合わせて小分けされて戻ってきます)
最終の水分補給と排尿排便時間を確認するところまでが、病室で行われました。
手術時間が予定よりも長引くと、尿道に管を入れられてしまうので(予定時間なら無し!)念のために最後のトイレに行っていると主治医もやってきて移動の時間となりました。
病室にいなかったから、逃げたと思われたかな(笑)
点滴を吊した台を自分で押しながら、先生と一緒に別の階にある手術室までエレベーターを使って移動します。
この時は、4基あるうち、優先のエレベーターに乗れるんだな。
手術室のところで、病棟の看護師から手術室付きの看護師に引き継ぎと確認が行われます。ここでも、本人確認のために名前を自ら名乗ることになります。
看護師同士の引き継ぎが終わったら、いよいよ手術室に移動です。
ドキドキ、ドキドキ。
驚いたのは、そのフロアの中に手術室が二桁室もあるということです。
大学病院というのは、どこもそんな感じなのだろうかと想像してしまいます。
なんだか圧倒されたまま、ガラガラと点滴を押しながら自分の手術が行われる部屋に着きました。
広めのオペ室で、機材もそろっているのに、どこか無機質な感じがする。
作業効率を考えての結果なんでしょうね。
そういえば、控えめながら音楽が流れていたような気がします。
執刀医を含め5~6人だったかな。
まぁ、内臓の大手術じゃないからそんなものなのかなーと思いながら、促されるままに手術台に腰掛けて、手術チームがオペの確認をしているのをぼんやり眺めていました。
オペチームの打ち合わせが終了すると、最終の本人確認を行い、私は手術台に横になりました。
酸素マスクを取り付けられたので、当たり前だが「酸素を取り込みますから、ゆっくり大きく呼吸をしてくださいね」と優しく声をかけられます。
合わせて心電図を計測する機器も体に手際よく取り付けられました。
そして最後に、脳波を計測する装置をおでこの上のあたりに取り付けました。
この装置は、(華道の)剣山のように小さな針の突起がたくさん付いているテープ状のもので、グッと押されるときに無数の針が刺さるのがなんだか気持ち悪かった。
しかも二カ所に貼り付けられたしね。
ほぼほぼ準備が整ったのか、麻酔の投入が始まります。
麻酔は2or3段階で入れられました。(麻酔がかかる前で既に記憶が曖昧)
最初に投与する液体は「咳き込むかもしれませんが、我慢しなくていいですよ」と言われました。(たぶん)
体に変化がないことを確認した後に「少し身体が冷たく感じることがあるかもしれません」と声をかけられたのを聞いたのが最後、この後のオペ室の記憶はありません。
手術前の事前説明でも聞いてはいましたが、本当に、あっという間に麻酔で完全に寝てしまったようです。
全身麻酔を行うと、自発呼吸が出来なくなるそうなので、肺に呼吸の補助をするために気管挿管を行います。
テレビドラマで手術室の患者さんの口に固定した状態のパーツを見たことがある人もいるかもしれません。今回のような部位(口の中)の手術でなければ、通常は口から管を通すようです。
親知らずを抜くときには、口が使えないので鼻の穴を通してから肺に管を挿します。
ただし、麻酔が効いて完全に寝た状態でやりますので、もちろん痛いとか苦しいとかはありませんでした。
手術後に鼻をかんだときにティッシュに付いた血で、あー、こっちに通したんだというのが分かるくらい。
それと、手術後に挿管された辺りがムズムズとしてしばらく変な咳が出ます。
手術の内容は、下顎左右の親知らず(智歯)の抜歯
以下は、ある程度意識が戻ってから、主治医から聞いた内容をまとめています
片方は、ほんの少し歯が顔を出していましたが、器具でつかめる状態ではありません。
従って、メスで被さっている歯茎を切り開いてから抜歯を行います。
抜いた後は穴が開いた状態になるので、開いた歯茎などを縫合します。
もう片方は、たちが悪く、歯が奥歯に向かって水平(完全水平埋伏智歯)になっていました。
こちらの状態だと、歯茎をメスで開いた後、骨を削って歯に接触できるようにしてから、奥歯に接触している智歯の頭の先端を機械で刻んで取り去って、引き抜く空間を作ります。
横向きの智歯を引き抜くために必要な空間が出来たら、器具で挟んで残りの部分を抜きます。
通常は、そのようにして完全な抜歯を行うのですが、術後の説明を受けたときに私の場合は少々異なる結果となっていました。
どうやら、抜く段階になって試行錯誤をしていただいたのですが、智歯の歯根部が顎の骨と癒着(同化)してすべて抜くことが出来なかったそうです。
これ以上無理をすると、顎の骨も割れてしまう程の状況だったそうなので、削り取れるだけ器具で削り取ってから縫合したとのことでした。
おそらく、下歯槽神経が近かったのも影響があったのかもしれません。
年齢に関係なく、抜ける人は抜けるそうなのですが、やはり若いうちに抜歯をしておくべきだったのではないかと考えます。
智歯自体は、通常の歯と同様に骨とは別のモノなので、抜けるのが普通ですが、私のようになってしまう前に抜歯をすることをここでもお勧めしておきます。
無理をして抜きにかかったことで、医療事故も過去に起きているようです。
「親知らずを抜歯する際に、患者の下顎骨を骨折。歯科医師の過失を認めた地裁判決」
富山地方裁判所 平成19年1月19日判決 判例時報1986号118頁
(争点)
抜歯と下顎骨骨折との間の因果関係の有無
歯科医師の過失の有無
-内容割愛-
(判決による請求認容額)
裁判所の認容額: 1069万4799円
(内訳:入院治療費14万2440円+入院雑費7万9500円+休業損害33万0724円+通院治療費1万0340円+交通費4500円+通院による休業損害5万1432円+入通院による慰謝料150万円+後遺障害慰謝料290万円+後遺障害逸失利益437万5863円+相続財産管理人選任手続費用30万円+弁護士費用100万円)
こ、これは医師も無理をしないわけですね(汗)
手術後の説明を受けている時点で、すでに病室のベットの上にいるのですが、麻酔から意識が一瞬だけ戻ったのは、病室のベットに移されるときでした。
意識が朦朧としていたのと身体はまったく動かせなかったので、何か掛け声が聞こえるな程度であって、移された後もしばらくは眠っていたと思います。
次に目を覚ましたときには、まだ酸素マスクがあてられていてなんとなくボヤーッとしながらも、少し手を動かせるくらいになっていました。
抜歯した辺りは、もわーんとしていて腫れているのが分かりました。
意識が戻って朦朧としているときの最初の一枚です。
ただし、これは序章に過ぎません。
点滴は継続中でしたが、口にあてがってある酸素マスク本体とそこにつながっているゴムのチューブが取れやすい。(たぶん、普通は取れません)
看護師が来て、直してくれた後も実は何回か外れたのを自分でまた差し込むという、酸素マスクなのに酸素が供給されない状態が何度かありました。
数時間後、麻酔が切れてきて動けるようになると、点滴を外すかどうかの目安になる動作確認をします。
具体的には、自分の足で歩行が出来るかどうかを見られるのですが、洗面所まで歩いていってから、戻ってくるまでの確認をされました。
点滴外して欲しさに「頑張る」私。
いや、ここは本来頑張るところじゃありませんから(汗)
無事、点滴は外してもらえることになったのですが、さらなる試練が待ち構えていました。
「手術後のレントゲンを撮ってきてください」と言われました。
「歩くのがしんどかったら車椅子でもいいですよ」と優しく声をかけてはもらいましたが、看護師さんも忙しいだろうしと思い、「大丈夫です~」なんて返事をしてしまいます。(ダメな私)
ボーっとしながら、歩いて行きましたが、半分迷子。
さらに、歩くのがつらくなったので休憩。
情けない状態になりながら、通りかかった病院のスタッフに行き方を教えてもらってやっとたどり着きました。
病室に戻ったらグッタリ。
しばらく動けなくなってしまいました。
教訓:看護師には感謝はしても、体調が悪ければ遠慮してはいけない
昼前の手術だったので、朝食・昼食と抜いていたので空腹感がないわけではないが、夕食に出た「やわらか食」は全然食べられなかった。
かろうじて、薬のためにとお粥を数口流し込むのが精一杯。
病院のコンビニには、ペットボトルに挿して使える「長いストロー」が販売されているので、あらかじめ用意しておくと水分摂取がとても楽になります。
特に、今回のように左右同時に抜歯したときには、顎もすぐに開かないし、水分も栄養摂取も口の真ん中からになるので「長いストロー」は必須です。
他にも、ウィダーinゼリーのようなモノも手術前に冷蔵庫に準備しておくのがベストです。
分かっていたら、まとめ買いしていたのにと思わず後悔。
次なら買います!
あ、次は無いので(笑)、身内や知り合いが同じ状況になったら、お見舞いに速効購入してあげます。
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このチューブ状のゼリー飲料ですが、飽きないようにいろんな種類を購入しました。
ところが、一つだけつらかったモノがあったので報告しておきます。
(食べ物そのものがダメなのではなく、手術後は辛いというだけなので誤解なきようお願いします)
マンナンライフの「蒟蒻畑」っていうゼリーを知っている人も多いと思いますが、ゼリー飲料と同じ形で販売されているモノがあります。
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元々の製品よりは小さくなって出てくるのですが、やはりコシがあってしっかりとした食感があるので、口の中で咀嚼する必要があります。
親知らず(智歯)を抜いた奥歯付近では咀嚼する力が入らないのと縫合した傷口があるため、前歯だけでこのゼリーを砕く必要が出てきます。
正直に書くと、この時ばかりは駄目でした。
「蒟蒻畑」自体は、美味しいのですが、歯を抜いた後だけは、差し入れなども含めて控えましょう。
抜歯後の見舞いに行くときの差し入れは、チューブ状のゼリー飲料か、プリンやヨーグルトなどの柔らかい咀嚼不要の食べ物にすると喜ばれますよ♪
スポンジ状のケーキやクッキーなどは、抜いた後の穴に入り込んでやっかいなので、完治してからご馳走してあげましょう。
夕食の後に、主治医から今回の手術の内容を聞き、状況確認をしました。
ここで聞いたのが、「顔の腫れは、術後2~3日後がピーク」です。
待て待て、月曜日が手術で火曜日に退院して、水曜日から通常勤務となるのだが、そこからがピークだと???
そして、これが見事に的中します。
痛み止めの薬が切れると、ジワゴワーンって感じで痛みが始まります。
しかも、私の仕事では「喋る」ことが必要。
この部分は、退院後に続きます。
世の中には様々な職種があるので、これを読んでいるあなたが「喋る」ことが必須とは限りませんが、手術する曜日はしっかり考える必要があることをお忘れなく。
手術が終わり、医師からの説明も終わり、あとは一晩寝て退院となるのですが、その前に麻酔がほぼ完全に切れてきます。
すると、当然なのですが、手術後の部位が痛み出します。
体温を測ったところ、38度台まで熱が上がっていたことと、手術部位の頬の辺りも膨らんで熱を帯びています。
痛み止めとして処方された薬(アセトアミノフェン)を飲みましたが、あまり強い効きではないのか、それとも痛みが強かったのか、なかなか寝付くことが出来ません。
そこで、看護師が来たときに別の薬(ロキソプロフェンナトリウム錠)を希望したところ、医師と確認のうえ処方してもらうことが出来ました。(ここは、ガマンせずによくできました(笑))
初めてでしたが、60mgを同時に2錠処方されたので、効きそうです。
(市販の箱には、成人1回・1錠となっていますが、医師確認の上です)
ロキソプロフェンナトリウム錠(いわゆるロキソニン)は、過去に空腹で服用して胃をやられたことがあったので、例のゼリー飲料を飲んでから薬を服用するようにします。
買い置きしておいて正解です。
やはり、こちらの方が効き目が強いのか、だいぶ楽になってウトウトと眠ることが出来ました。
痛みが取れないようだったら、遠慮なく意思表示をしよう!
※私の場合、最初の薬は別の病状を考慮して出されていたことも分かりました。
ある程度続けて眠ることができましたが、朝までグッスリというわけにはいきませんでした。薬の効き目が弱くなると目が覚めるといった感じでした。
早く目覚めてしまい眠れなくなったので、夜が明けるのを窓からぼんやり眺めたりしていました。
そうして、退院の朝がやってきたのです。