こんにちは、トウシモンです。
今回は、ちょっとお怒りモードです。
金融庁の言い分
金融庁が3日、「現代の長寿化が進む日本で人生100年の時代を生き抜くためは、国民一人一人が金融資産の不足を生じさせないために…」との提言を盛り込んだ報告書を取りまとめました。
報告書を読んで、とうとう本音が出たかと思ったのだが、要約すると
「年金だけだと老後の生活資金足りなくなるよー(知ってるわ!)、長生きするなら必要な分は、自己責任で投資などしてお金増やしといてね!キャピ!」って感じになっていることだ。
もう何年も前から年金については言われていることだから、そこは驚かない。
私自身も通常通りにいくと60歳からはもらえないし。
いまは65歳からと言われているが、それだってこの先どうなるのかすら分からない。
金融庁は「これまでより長く生きる以上、多くのお金が必要となる」ともっともらしく指摘しつつ、生活水準を維持するには保有資産の運用など“自助”の取り組みが重要と指摘してきた。
要するに、少しは年金あると思うけれど足りない分は「自分で」やってねってことだ。
長寿化によって生まれるリスク!?
長寿化が進む日本では現在60歳の人の25%は95歳まで生きるという推計もあるそうだ。
長生きは、素晴らしいことと思っていたが、資産を用意できない人間にとって「長生きはリスク」という時代がやってきたのかもしれない。
報告書の例では、夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯では、年金収入だけだと毎月平均5万円の収支不足。
今後20年の人生なら単純計算で1300万、30年あるとすれば、2000万円が必要だそうだ。
そもそも、どのレベルの生活水準なのか、もっと具体的に示してみなさいよと言いたい。
健康で長生きしている人間ばかりではないし、高齢化が進めば、若い世代の時よりも同世代間で様々なギャップが生じることを想像するのは容易なこと。
各自、支出の再点検や保有資産を活用した資産運用で、資産寿命を延ばす取り組みが必要と言いながら、その上で公的年金が「老後の収入の柱であり続けることは間違いない」などと、しれっと言っちゃうあたり、不信感しか抱かない。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国民から預かる年金保険料を使って大量の株を買い、うまくいっている時は「アベノミクスで株価が上がった」という宣伝材料にし、うまくいかなくなると、国民が受給減を押し付けられている。
そんなGPIFですら、2019年のはじめに14兆円超の損失計上を出したりしている。
どう考えても、ど素人の国民より運用上手じゃないのか~い!!
投資をしたこともない一般の人々に「自己責任」で「投資」をしろと薦めてしまう発想が分からない。
国民が国の機関が言うままに、投資教育を受けられる体制もなく、知識もないままに「投資」をする未来なんて想像できる?
金融庁のこの報告書をまとめた面々は、FXだって、株式だって、素人がたいした知識も無くリアルトレードして勝てるとお思いか?
その昔の預金はね
今では考えられないが、預金に6~9%近い利息がついていた。
昔なら、預金して10年もすれば、倍近くになるほど資産は増えたのだから、預金は正義だったとも言える。
しかし、現在のゼロ金利政策では、預金をしても何も生み出さない。
今日に至るまで、「投資」は、世間から「当然すべきこと」という認識は得られていないだろう。
このまま、投資教育も受けていない国民が投資に資金を移動したら、世界でもまれにみる巨額の国内預金はいったい何%くらい海外の投資家に刈り取られ、身ぐるみはがされるのだろうか。
国はそれを見たいのだろうか?
投資をしろといいつつも、利益に対してNISAやiDeCo以外の税制優遇措置などの追加案が出るわけでもなく、大海原に海図もなくイカダで出て行けといい、儲かったらちゃんと税金は納めろよと…ずるい鬼だな。
2035年からはGPIFの「資産取り崩し」が始まる予定という記事も過去にあった。年金支給のために、GPIFが継続的に株を売っていく状況になるらしい。取り崩しで売るときの株価がどうなっているのかも現時点では未定。下落時に大量に売れば、どんなスパイラルになるのか想像したら怖いよね。
思い切って海外へ移住した知人の行動は、正しいのかもしれない。
日本に生まれて、一生日本で暮らす。
この思考に一度「疑問符」を雨あられのごとく浴びせてみるのもいいかもしれない。
金融庁の提言
金融庁は、ご丁寧に「現役期」「退職前後期」「高齢期」の3世代に分けて実施すべき対応策も例示している。
具体的には、仕事をして収入のある「現役期」は、老後までの時間が長いことをメリットとして挙げ、少しずつでも毎月一定額を複数の投資商品に長期間、分散して投資し続けることを提案。長期的につきあえる金融機関や投資アドバイザーを見つけておくことも重要なんだと。
↑投資アドバイザーは、お金を増やす「責任」はとりません。みんながみんな、テレビドラマの主人公のように助けてはくれませんから。
「退職前後期」は退職金や年金受給額などを把握して、マネープランの再検討を推奨。資産の不足が予想される場合は就労期間を延ばす。
↑(再雇用後、同じ仕事量で給料半額とかいう職場って聞いたことあるけれど、おかしくないか?職種によっては、身体が持たない人もいるよ)
住宅の売却や物価の安い地方への移住も選択肢だそうだ。
(老後になって、人付き合いを捨て、慣れ親しんだ土地を離れて暮らしたら?とかよく言えたもんだな)
心身が衰え始める「高齢期」では、大病や老人ホームへの入居などで、当初の想定よりも医療や介護の費用が膨らんでいる可能性があると指摘。その上で、将来起こりうる認知機能や判断能力の低下に備え、金融資産を整理し、通帳の保管場所や資産情報を信頼できる第三者と共有するといった対策が重要とした。
↑判断できる前に亡くなる人もたくさんいるだろうに。核家族化や身寄りのない人々が誰と安心して共有できるというのだろうか。
■老後資金が不足しないように金融庁がまとめた提言
・老後まで多くの時間があり、早い時期から資産形成を行う重要性と有効性を認識する
・少額でも資産形成の行動を起こす
・信頼できるアドバイザー、長期的に取引できる金融サービスの提供者を選ぶ
・退職後の人生が長期化していることを認識し、資産の目減り防止や計画的な取り崩しを検討
・受け取れる退職金や年金などを確認。不足する可能性がある場合は就労継続を検討
・住居費や生活費が安い地方への移住も選択肢
・老人ホームへの入居など想定よりも医療・介護費用が高い可能性があり、マネープランを見直す
・認知・判断能力の低下に備え、資産の管理方針を事前に決定
・資産の管理方針や通帳の保管場所などを信頼できる人と共有
マクロ経済スライド(年金額の変動)
年金の給付額は物価と賃金の変化に合わせて毎年改定する。さらに財政健全化のため、現役世代の減少などを反映した調整率で毎年自動的に給付を抑える仕組みが04年に導入された。これがマクロ経済スライドです。
今後も物価上昇基調が続くなら、年金額は物価上昇より抑えられ続けることになる。現役世代の平均的な手取りに占める年金額の比率(所得代替率)は今は6割強だが、将来は5割程度に低下する見通し。現役時代に納めた額から自分の手元に戻る比率は今後も増えるあてはない。
年金の繰り下げ受給って知っていますか
公的年金の受給開始年齢は原則65歳だが、60歳からに繰り上げたり、70歳からに繰り下げることができる。繰り上げると年金は1カ月当たり0.5%減、繰り下げると同0.7%増。70歳まで繰り下げれば42%増となる。
長寿時代に安心なのは増額された年金が一生続く繰り下げ。70歳まで繰り下げる場合、81歳まで生きればもらわなかった5年分を増額で挽回できメリットが出る計算。税や社会保険料を引いた手取りベースでは挽回が数年遅れることが多いが、老後が長い女性には特に重要性が高いかも。
まぁ、早く死ねば、もらうことも出来ない(支払わずに済んで国はシメシメ)
ただし、有利な仕組みだが、十分知られていない。繰り下げを選ぶのは新たに基礎年金の受給資格を得た人の1%程度という状況が続いていた。しかし、16年度には3%弱まで上昇。まだ水準は低いが、繰り下げなどで公的年金をフル活用しようとする人が増えている。政府は70歳超への繰り下げも可能にする方向で、数年以内に実現するかもしれない。
試算なので、当然どれくらいの人間が対象で、どれくらいの割合で死んでいくと支払額がどれくらい減るのかもやっていると思われる。
試算を国民に全部出してから物を言ってほしいものだと思うのであった。
マスコミの報道の仕方も関係するが、要するに、「都合のいいことばかり並べた報告書は作るな」というのが現時点の結論です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。